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野宿生活者を生まない社会をめざして

大都市を中心にして野宿生活者(ホームレス)が急増しています。そして、ホームレス自身の生活や生命の維持といった問題などが起きています。

失業やケガ、病気などの要因で住居を失うなど生活に困り、貧困から野宿生活を余儀なく始めることになります。また、最近頻発している地震や台風などの災害によって、物理的に家屋を失い野宿生活を余儀なくされる事例や、災害によって失業し野宿に至る場合も増えています。

こういった状況を改善すべく、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が平成14年に施行されました。これに従い、国や地方公共団体は、ホームレスの安定した雇用の確保、就業機会の確保、安定した住居の確保、保健と医療の確保を行うことになりました。また、同法により、実態調査や、緊急的な宿泊所であるシェルターの設置、食事、健康管理、生活相談や職業相談を受けることができる自立支援センターの設置などが行われていますが、効果的な運用はこれからです。実際に公園などの住居から強制退去させられたり、生活保護を有効に受けられないなどして食事もままならず、生命の危機に直面している人が増えています。年末年始の仕事の減る期間には、ボランティアによる炊き出しによってのみ命をつないでいる人も多いのが現状です。しかしながら、現状は充分な理解が得られるまでには至っておらず、むしろ無知や無関心、あるいは予断と偏見により日常的な差別や暴力的な行為が発生している事実があります。

10年以上続いている景気低迷による倒産や企業規模の縮小、終身雇用制度の崩壊にみられるように企業による雇用維持体制は大きく変化しました。また、200万人を超えて年間10万人増加しているというフリーターやニートの継続的な増加と高年齢化、婚姻率の低下という現在の社会現象はひとり暮らしの増加につながり、将来、倒産や失業、けがや病気による野宿生活者のさらなる増加が予想されます。地域社会での助け合いの気持ちや、家族との絆の弱体化もあり、社会と家族、企業という支えがどんどん減少する中で、今は仕事を持っている人やその家族の誰もが、容易に野宿生活者になる可能性を持っているのです。

わたしども出版に携わる人間として、ホームレスのみなさんの人権の擁護はもちろんのこと、自立支援について理解を深め、また、野宿生活を余儀なくされる人を生まない社会にするための行政やボランティア団体の活動に協力していく所存です。

読者の皆様もこのような社会情勢を理解し、より良い社会の形成に関心を持っていただければ幸いです。

週刊アスキー
編集長 宮野 友彦



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