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【お知らせ】いまどきの高校生のデジタルの実力はどんなものか?――全国高等学校パソコンコンクール“パソコン甲子園2005”開催


2005年11月11日

第3回にして初回の約2倍の応募者数

全国の高校生・高専生がプログラミングやコンテンツ作りを競い合う全国高等学校パソコンコンクール“パソコン甲子園2005”が、5日と6日の両日に渡って福島・会津若松の県立会津大学で開催された。今年が3回目の開催となり、主催は福島県と会津大学、および全国高等学校パソコンコンクール実行委員会。“プログラミング部門”と“デジタルコンテンツ部門”の2つの部門に対して、第1回の参加者(247チーム/656名)の2倍近くになる434チーム/1125名の応募があり、予選を勝ち抜いた30チーム80名が会津大学を会場に本選を戦った。

プログラミング部門本選の様子
全国高等学校パソコンコンクール“パソコン甲子園2005”の1日目、プログラミング部門本選の様子。写真提供:全国高等学校パソコンコンクール実行委員会

本選の競技内容は、“プログラミング部門”が、同じ学校の生徒3人で1チームとなって、1台のパソコンを使用して、制限時間(4時間以内)に、難易度の異なる全30問600点満点の問題を解くプログラムを作成するというもの。一方、“デジタルコンテンツ部門”は“21世紀の大発明・大発見!”というテーマのもと、同じ学校の生徒2人が1チームとなって、ウェブブラウザーで閲覧できるデータ形式のコンテンツの制作とプレゼンテーションを行なうというもの。

課題に取り組む参加者たち1
課題に取り組む参加者たち2
プログラミング部門では3人一組でチームとなって、課題をクリアするプログラムを作成する

5日(第1日目)はプログラミング部門の競技が行なわれ、各チームの得点が随時スクリーンに表示されたり、トップチームのところに風船が移動するなどの演出も行なわれて、過去2回以上の盛り上がりの中で競技が進められた。なお問題は、プログラミングとしては基本的なレベルのものから、高校生には簡単ではないであろう“ナップザック問題(※1)”など高度な問題も含まれ、難易度によって重み付けを変えた点数が割り当てられる。これを、CやC++、Java、BASICなどの既定のプログラミング言語を使って解く。なお審査は、あらかじめ正しいプログラムで求められるデータを流すことでチェックされる。

※1 ナップザック問題 ひとつの“ナップザック”と異なる重さと価値を持つ複数の“物体”があるとき、どのような組み合わせを入れれば、ナップザックの中身(合計)が最大価値になるかを計算するというもの。

学生によるプログラミングの競技会といえば、ACM(the Association for Computing Machinery、米国計算機学会)の“ICPC(国際大学対抗プログラミングコンテスト)”が有名だ。すでに30年の歴史があり、前日の今月4日に東京工科大学でアジア地区予選東京大会が行なわれたばかり。また、高校生以下を対象にしたプログラミングに関する競技会としては、“IOI(国際情報オリンピック)”がある。IOIは、ユネスコ(UNESCO、国際連合教育科学文化機関)の提唱で行なわれている6つのサイエンスオリンピックのひとつで、こちらは与えられた課題を解くアルゴリズムを作り、それを実装したプログラムを作成する問題と、アルゴリズムに関連した数学の問題からなる。これに向けて“日本情報オリンピック”の開催が、2006年1月に予選、同2月に本選が行なわれる予定。詳しくは、IOI日本委員会のサイトを参照していただきたい。

IOIが、よりコンピュータサイエンス指向であるのに対して、パソコン甲子園はプログラミング能力や表現力を競い合うことにより、情報化社会を支える人材の裾野を広げることも目的のひとつとしている。とはいえ、さすがに本選に残ったチームは強豪揃いで、プログラミング部門の審査委員を務めた早稲田大学理工学部コンピュータ・ネットワーク工学科教授・社団法人情報処理学会情報処理教育委員会委員長の筧 捷彦(かけひかつひこ)氏も、その点を講評で述べている。


プログラミングとコンテンツでの高校生の実力

プログラミング部門の行なわれた翌6日(2日目)には、デジタルコンテンツ部門の競技が行なわれた。デジタルコンテンツのコンテストは、高校生に限らず門戸を広く開いたコンテストが多数行なわれている。ところが、どのコンテストでも若年層の応募が少ないというのが実情と言われる。パソコン甲子園は、そんな中で貴重な催しといってもいいだろう。

愛媛県今治工業高校の“ダーリン☆ハニー☆”
コンテンツ部門の準グランプリに輝いた、愛媛県今治工業高校の“ダーリン☆ハニー☆”

競技の内容は、あらかじめ作成してきたウェブで閲覧可能なコンテンツを、2名の参加者がスクリーンに映し出した画面を使ってプレゼンテーションするというもの。コンテンツの作り込みや作品のアイデアの斬新さもさることながら、当日の高校生による“生のパフォーマンス”も審査対象となる。現実でも、デジタルコンテンツが使われる場面では、コンペやプレゼンが必須なので、それ自身にも大きな意味がある。

山形県立新庄神室産業高等学校“TM形トランジスタ”のプレゼンテーションの様子
コンテンツ部門で見事グランプリを受賞した山形県立新庄神室産業高等学校“TM形トランジスタ”のプレゼンテーションの様子

デジタルコンテンツ部門には、弊社取締役の遠藤 諭氏が審査委員として参加。「デジタルコンテンツというのは、“表現力のある人がデジタルの力を借りる”場合と、“デジタルの素養のある人が表現の世界に目覚める”という2つのパターンがある。今年は、前者が目立ちそれが良かったと思える反面、個人的には、“生意気なほどテクニックに走った作品”というのが目立たなかったのは少し残念。グランプリを受賞した山形県立新庄神室産業高等学校の“TM形トランジスタ”は、身近な素材を使って、実写にイラストをトレースするなどさりげない手法で、意外性のあるコンテンツに仕上げている。準グランプリの“ダーリン☆ハニー☆”は、デジタルらしさを生かし切っていない感があるが、達者な絵ですぐにでも使えるセンスとノリの良さがあった」といったコメントを出している。

審査風景
授賞式の模様
審査風景と授賞式の模様。競技中などは緊張感が漂っているが、5日の夜に行なわれた“パソコン甲子園2005選手交流会”や、ロボットなどによる併設イベントもあり、競技以外の場面も楽しいイベントとなった

パソコン甲子園2005の両部門で、福島県知事賞の“グランプリ”、実行委員会会長賞の“準グランプリ”および第3位、そして審査員特別賞の受賞チームには、福島県知事の佐藤栄佐久氏、会津大学学長の池上徹彦氏、デジタルコンテンツ部門審査委員で漫画家の松本零士氏などから賞状と賞品が送られた。

各部門の受賞チームは、以下のとおり。

プログラミング部門
グランプリ
チーム名 “Euphoria”(静岡県立浜松工業高等学校)
得点 366点
準グランプリ
チーム名 “伊奈学パソ部”(埼玉県立伊奈学園総合高等学校)
得点 311点
第3位
チーム名“福島高専機戒電気連合”(福島工業高等専門学校)
得点 308点
矢沢久雄賞
チーム名“膳所高等学校チーム”(滋賀県立膳所高等学校)
得点 −
デジタルコンテンツ部門
グランプリ
作品名 “TM形トランジスタ”
山形県立新庄神室産業高等学校
準グランプリ
作品名 “ダーリン☆ハニー☆”
愛媛県立今治工業高等学校
第3位
作品名 “マサカーズFINAL”
福島県立郡山北工業高等学校
松本零士賞
作品名 “流王”
沖縄県立那覇工業高等学校



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